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セカンドライフの恋愛で「印象操作」と高価なグラボが勝負な訳


 昔、ミクシィでネット恋愛が凄く流行りましたが、お互いがアバターと言う仮想身体を持つセカンドライフはその領域を完全に超えてますね。日本人街には約3万人の方々が定着していますが、セカンドライフでの恋愛やパートナー選びは既に常識のようです。
ブログで一番参考になるのは、メタバーズが運営しているブログサービスの「ソラマメ」ですね。新しいものをちょっと見ただけでも、今朝もどっとあがって来ています。そのいくつかを見ると以下のようになっています。
筆者は恐らく半数以上の参加者が何らかの形で「疑似恋愛関係」を楽しまれていると思っています。
★逢えなかったね。少しブルーな気分だょ。。。
http://hiroshi25.slmame.com/e254217.html
★海辺でまったり
http://yumica.slmame.com/e250801.html
この手のブログは毎日、数限りなく上がってくるので、セカンドライフ内の恋愛が物凄く盛んである点は明確です。ミクシィの場合には、お互いに顔の見えないネットの日記で会話を交わして、Ⅰ-2ヶ月後にオフ会で出会ってと言うネットから現実の出会いに進むと言うパタンが多かったのが特徴でした。
★仮想空間の中で閉じた恋愛関係が多い
一方セカンドライフの場合にはアバターと言う仮想の身体があるため、「仮想空間の中で閉じた恋愛関係」を楽しんでいる点が特徴でしょう。もちろん、現実社会の出会いに発展して行く例もあります。でも圧倒的多数の方々は「仮想空間の中で閉じた恋愛関係」、「仮想空間内の泣き笑い」を楽しんでいます。
これだと長野と東京とか札幌と名古屋と言った「物理的な距離」を気にしないで付き合える訳ですね。場合によってはイタリアと日本と言った国境を越えた例も多々ありますが。
★印象操作で第一義的な勝負が決まるセカンドライフ恋愛
 ネットで知り合ってオフ会で出会うと言うSNS型、ミクシィ型の恋愛に比べて「仮想空間の中で閉じた恋愛関係」となれば、アバター=仮想身体の見栄えが非常に重要になります。
人生はドラマだと考える有名な社会学者、アービン・ゴフマンは「人は他者との関係の中で自己に割り当てられ役割演技を通して自己を呈示している」とか「それにより一定の自己のイメージ(素敵な私、綺麗で魅力的な私)を呈示するよう印象管理を行う存在」と言っています。
 これが社会学上有名な「印象の操作」や「印象形成」です。これは「対人魅力」の基本ですから。
物理的世界での「人生は「役割の演技」が大切だから印象操作が大切」と言う視点は多くの女性たちの「お化粧」や「箪笥一杯の衣装」、「エステやダイエットなどの数々の美容サービスの繁栄」に見られます。
 如何に美人になって王子様に気に入られるか、そして美しい自分にうっとりする自己愛的な「印象形成」や「印象操作」は女性が得意ですよね。
現在、行われている米国の大統領選挙でも「印象管理」や「印象操作」によるイメージ作りは非常に大切なものとされています。
★★セカンドライフは「印象形成」や「印象操作」のシミュレーション
さてこの「印象操作」は、アバターの姿を自由自在に変えられるセカンドライフ内では、物理的世界の100倍くらい重要になります。「青は藍(あい)より出でて藍(あい)よりも青し」という諺がありますが、現実世界の特徴を抽出してシミュレーションされるセカンドライフでは、まさに「印象形成」において「藍より青く」が働きます。
  セカンドライフ内で勇気ある女性がいました。
その方はわざと「素敵な金髪美人の姿」と「おばさん臭い姿」になって男性から声をかけられる率を調べました。
そして姿や形により男性からのアプローチが全く異なると言った実証実験をされて、結果をSNSに日記を書かれています。「おばさん臭い姿」の時には、色々なパーティに参加しても男性に全く持てなかったそうです。
 さてセカンドライフにおける印象操作=印象形成は総じて3つか4つ位の方法により行われます。
★★お金がなければ不可能な「対人魅力」の向上
①スキンやシェープ(姿や形、背格好などの体系)を買ってカスタム化する。
これは通常、日本円で2500円(約5000リンデンドイル)もするものを購入して自分用に修正する訳ですね。
実際、美人の姿やイケメンの姿を手に入れるにはその位コストがかかります。
②日常の動作=体の動きを魅力的なものにする。
これはAOと呼ばれる「動作を魅力的にするソフト」を購入して対処します。
女性のちょとした立ち姿(男性でも同じですが)などがまるで異なります。
③衣装の購入
魅力的なドレス、他人が着ていない冴えた色とデザインのドレスを皆さん必死で
探しています。当然、靴などの買い物にも女性たちはほんとに凝ってます。
④アクセサリーの購入
髪飾り、ネックレス、ベルト、ハンドバックなどの小物でおしゃれをするわけですね。
これだけでもお金が一杯、かかります。
★2Dか3Dかの議論と恋愛への没入感
面白いのはセカンドライフの描画レベルが改善されるに連れて参加者の「没入感」が深まって来ます。この「没入感」がセカンドライフの恋愛を説明する重要なキーワードになると考えられています。
セカンドライフで起こっている恋愛感情は明らかにシェリー・タークルが指摘している「投影現象」(過去の物理世界での恋愛経験を転移したもの)と考えられます。
例えば優れた小説などを読めば、文字の世界だけで読者を引き付け、物語への没入感を高めて、主人公の気持ちに読者の気持ちを重ねさせることは可能と言われています。
しかし同じ物語展開、ストーリー展開ならば明らかに2Dよりも3Dの方が参加者の没入感覚、従って擬似的な恋愛感情が高まるのも事実です。
★恋愛はグラボ(グラフィックボード)の勝負
セカンドライフの描画レベルが改善されるに連れて「恋愛の勝負」は「グラボ」の勝負になってきます。きめ細やかな衣装やアクセサリー、フェースライトと呼ばれる「顔を照らす光」などを認識し、心から楽しむには高価なグラボが必要になります。
特に自然の空や海などの描画が可能になり、遂にFFXIを上回ったとされるウインドライトという描画は、高性能なグラボを必要とします。
描画が最高のGeForce8800ultraなどになれば10万円近い値段がついています。場合によってはパソコン本体より高い訳ですね。
進歩する3Dの環境下では、高価なグラボを持っていなければ、自分を美人に仕立てられないし、素敵な王子さまからも認識してもらえません。
セカンドライフでシンデレラの役を演じて王子様と恋愛しようと思えば、高価なグラボが勝負の時代になってきました。(何かこれは裕福な家庭の子供でないと有名大学に行けないという偏差値教育と似ている気もしますが。)
グラボに加えて3D用のビューアーも大きく高価な2Gとか4Gとかのメモリーを要求します。
こうなれば、ほとんど全ての処理がサーバーで行われるシンクライアントの時代になっても3Dインターネットに対処するには「個人が家庭で持つパソコンはますます大きくなる」のも面白いですね。
これだと「灰かぶり姫」と呼ばれたグリム童話のシンデレラではお金の面で対処できませんよね。
どうやらセカンドライフでは「ある程度のお金持ちだけが疑似恋愛を楽しめ、シンデレラ姫になれる」場所ということのようです。これがまだ現状なのかもしれませんね。
でもハードの値段は2年ほどでどんどん下がるし、気にすることもないか。
日本ナレッジマネジメント学会 専務理事 山崎秀夫

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