2006年06月06日

●SNSマイスペースの繁栄はピークを超えたのか?

今年の4月頃から米国のSNSマイスペースのアクセス数が下がっており、昨今マイスペースの栄華は既に峠を越えたと言う論調が目立ち始めています。ビジネスウイーク・オンラインがマイスペース世代と呼んだ若者はどこに行くのでしょうか?

関連記事は以下の通りです。

●米国のSNSに陰りが?
http://zen.seesaa.net/article/18437114.html

●MySpace may be falling from favor (マイスペースの繁栄は峠を越したか?)
http://www.wistv.com/Global/story.asp?S=4991856&nav=0RaP

●MySpace: It's, like, so 2006 (ついにマイスペースも)

http://news.com.com/2061-11199_3-6080161.html?part=rss&tag=6080161&subj=news

原因は明らかにdeleting online predator’s act of 2006と呼ばれるマイスペース規制法に象徴される動きでしょう。性的変質者の被害が増えている点など、十代の参加者問題が家庭の両親、学校、図書館、自治体、法律関係者などで社会問題になり始め、一方マイスペースが約100人の治安維持部隊で問題が起こりそうなプロフィールのチェックを始めている点に若者達が嫌気しているようです。

また昨年夏にニュースコーポレーションの資本が入り、商業主義に転換した影響が出始めたとの見方もあります。

英国の若者がマイスペース離れを加速させ、その結果、高校生専用用のSNSであるBebo(
http://www.bebo.com/)がわずかの差でアクセス数のトップに立った点も大きな話題になっています。

確かにマイスペースの『賑わい』が揺らげば一時的に米国のSNSは後退するかもしれません。(これはマイスペース規制の立法の行方にもよりますが)

しかし、ビジネスウイーク・オンラインが言っているように米国の若者はコミュニティを対面と同じ感覚で使いこなし、インスタントメッセージングを普通に使う『マイスペース世代』が育っています。彼らのインターネット参加率は9割弱です。『マイスペース世代』は『@世代』とも呼ばれていますが。

▼The MySpace Generation
http://www.businessweek.com/magazine/content/05_50/b3963001.htm

日本で言えば携帯電話によるショートメッセージ世代とかドコモ世代と言ったところでしょうか?

彼らはモラルの問題を起こしているだけでは有りません。一方で立派に現代のアメリカの若者気質と言う『ネットの新しい規範』を育てています。ロシアから来た貧しい少女がバイト先のハンバーガー店で撃たれて死亡した事件では、マイスペース上の友達の輪の人たちが彼女を追悼し、彼女が投稿したスナップ写真で追悼の物語動画を作り、YouTubeに投稿してそれを百万人が見ています。その結果、家族に多くの義捐金が送られました。

▼百万人が涙した、マクドナルドのバイト少女のYouTube
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20060501
 
余談:ネットは悪だなんて一方的に決め付けないで下さいね!!ホリエモンや村上さんを逮捕した国家権力の皆さん!! お願いします!! 言っても判らないだろうな・・・涙
Friendsterはわずか一年足らずで全米の目を引き付け、あっという間に没落しました。しかし替わりに、直ぐにマイスペースが出てきました。同じように例えマイスペースがピークを過ぎ、衰え始めたとしても、直ぐにまた色々なSNSが色々な新サービス(草の根動画やテレビ・ドラマ、インディーズの音楽や無料電話、プロモーション・ビデオやネット通販など)を引っさげて登場するでしょう。重要な点は米国の若者が『ネットによる社交や人脈作りを彼らのライフスタイルに組み込んだ』と言う点でしょう。

ネット上で会話を楽しみ、面白いと言われて初めてテレビのドラマを見たり、買い物をすると言ったネット上の『ユーザー・エクスペリエンス』や『社交』は彼らの日常習慣となっています。このような習慣を社会学では『ハビトゥス』=身体化された習慣と呼びます。

ネット上におけるこの若者の社交能力の発達の中に電話もテレビも音楽放送も雑誌も買い物も出会いなども、書籍や情報も知識交換も『社交クラブのパーツ』として吸収され始めています。まるで孫悟空に出てくる魔法の瓢箪のように返事をしたものは全て吸い込まれていく訳ですね。

市民社会の台頭を前にしてドイツの哲学者ヘーゲルは『祈りの前に新聞を読む無礼者=新しい感覚を持った市民』と呼びました。マーシャル・マクルーハンがメディア論で述べた新しい感覚を持った若者が大量に出現し、テレビも電話もECもそれに翻弄されている感があります。

確かに参加者数八千万人のSNSマイスペースの繁栄はピークを超えたのかもしれません。マイスペース規正法の行方もどうなるかわかりません。しかしマイスペースを支えた若者の『群れ』の文化は厳然と残っています。あっという間にYouTubeなどに群がるでしょう。

この教訓は日本でも当てはまるでしょう。

 『一葉落ちて天下の秋を知る』(alexaのアクセス数のことです。笑)
 『東風吹かば匂い起こせよ梅の花、主無しとて春な忘れそ!!』と言ったところでしょうか?

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山崎秀夫 / 日本ナレッジマネジメント学会専務理事

Posted by sns at 2006年06月06日 19:19
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