2006年07月17日

●進展する既存メディアとのメディア・ミックス-SNSマーケティング進化の方向-

日米共に映画やテレビ、雑誌、新聞、SNSコミュニティ、動画SNS、対面イベントなどを組み合わせた色々なマーケイング上のメディア・ミックスの動きが加速化しています。ちょっとWeb2.0を超えた視点でマーケイング理論の面から纏めまて見ました。関連記事は以下の通りです。

●YouTube Takes Stage at Media Summit

http://abcnews.go.com/Technology/wireStory?id=2190331&page=1

●TagWorld Launches First Video Chat for Social Networking
 
http://biz.yahoo.com/bw/060710/20060710005283.html?.v=1

●ここが映画「Snakes on a Plane」のプロフィールです (現在、4000人参加)
 
http://www.tagworld.com/snakesonaplane 

まずは余談から話しますが、アイダホのメディアサミットに初めて呼ばれたYouTubeのチャド・ハーレーは、早速、CBS(三大テレビネットワーク)と提携交渉を開始したようです。既に映画のウオルトディズニーとNBC、MTVなどとの提携は発表されている訳ですが、更にナイキ、ウオルマートやホームデポとも広告出向の商談が始まっています。さてフォックス映画『X-MEN3』のプロモーション大成功に刺激されて米国の動画SNS各社は既存メディアとの提携を加速させています。

▼YouTube――― NBC、デズニー、MTVなど(多分CBS)
▼Guba―――― ワーナーブラザーズ、ソニーピクチャーズ
▼BitTorrent―― ワーナーブラザーズ
▼Tagworld――― ユニバーサル・ミュージック・グループ、
            ニューライン・シネマ・コーポレーション
▼Myspace――― フォックス系のテレビ、映画、新聞

これにより一体、何が起こっているのでしょうか?筆者はこの動きをマーケティング上のメディア・ミックスと見ています。

メディア・ミックスと言うのはある商品のプロモーションに当たり、コンセプトを統一して複数のメディア媒体を組み合わせることを言います。例えばコマーシャル・メッセージなどを統一コンセプトの下に組み合わせて、店舗のポップアップ広告、雑誌やテレビなど異なるメディアのチャネルで一斉に流してマーケティング・コミュニュケーションを行う訳ですね。有名なマーケティングの基礎理論、マッカーシーの4Pは以下の要素から成り立っています。この四要素の組み合わせがマーケティング・ミックスとなるわけですね。

▼Price―――― 価格
▼Place―――― 通常は商品の流通チャネルですが、今回は同時にプロモーション・チャネル(テレビ、対面,雑誌,SNS)と考えて見ます。YouTUBEがプロモーションチャネルでドラマはNBCでPLACEされるなんて・・・情報商品は区別が難しいですね。

▼Promoton―――― コマーシャル・メッセージ
▼Product ―――― 販売商品やサービス

このPlaceとPromotionのところが今回のメディア・ミックスの動きに関連します。そしてテレビや雑誌、新聞などのマスコミと比べてWeb2.0的な要素はどんな役割を担うのでしょうか?YouTubeやマイスペースの公認コミュニティなどのWeb2.0的な要素は「プル型のチャネル」として「演出効果」を強める役割を果たすものと考えられます。これがフォックス映画「X-MEN3」にけるマイスペース・ビデオや300万人の知り合いの輪=公認コミュニティの果たした役割だった訳ですね。

さて当面は映画やドラマのプロモーションが目立っていますが、次第に具体的な商品やサービスの広告、宣伝の動きになると思われます。テレビ局などは単に自社ドラマの宣伝だけを目的にYouTubeに接近している訳では無い訳ですね。彼らはテレビにYouTubeやSNSコミュニティを含めたメディア・ミックス型の広告提案などを顧客企業にしようとしています。

例えばWeb2.0の要素を兼ね備えていてマイスペースを脅かす可能性があると囁かれるSNS、Tagworldは、ニューライン・シネマ・コーポレーションと組んで2006年8月に封切られる映画『Snakes on a Plane』のテーマ音楽の投稿コンテストを行い、次にビデオ・インスタント・メッセージングを導入して、この映画をテーマとしたビデオ・コメントの投稿コンテストを始めています。優秀者は映画の主役サミュエル・ジャクソンとのビデオ・チャットが準備されています。(余談ですがこの無料テレビ電話=ビデオ・インスタント・メッセージングの導入も凄いですね!!)

無論、SNS、Tagworld上には映画のプロフィールの周りにファン倶楽部としての友達の輪が出来上がっています。これらのWeb2.0要素の仕組みは既存のテレビや雑誌広告などと組み合わせてメディア・ミックスとして消費者=生活者に発信されます。では日本ではどうでしょうか?

既にmixi上では映画DVDのポニーキャニオンが公認コミュニティを立ち上げて試写会を実施したり、メディア・ミックスを開始しています。SNS、Nileportを立ち上げてまだ一年足らずのナイルスナイルは、既に黒字を確保している数少ない超優良のマーケティングSNSですが、映画や高級品など富裕層相手の商品プロモーションを実施するに当たって、雑誌(ナイルスナイル)、対面イベント更にSNSなどを組み合わせたメディア・ミックスを提案の基本の一つとしています。(そう言えば2006年7月15日の日経新聞に一面全面広告がでていましたね)

筆者はマーケティングSNSの領域においては、既存のメディアとSNSなどWeb2.0要素を組み合わせた新しいメディア・ミックスが暫くSNS関連のマーケティングの中心になると見ています。それにしても一挙に動画SNSやSNSコミュニティがプロモーションのメディア・ミックスに進化するとは!! 流石に筆者も目の前がくらくらします。さあどうなるのでしょうか、SNSマーケティングが面白くなってきました。

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山崎秀夫 / 日本ナレッジマネジメント学会専務理事

Posted by sns at 2006年07月17日 14:47
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