2006年08月14日

●株式会社mixiが東証マザーズに上場すると何が変るのか?

mixi.gif


イー・マーキュリーが名前を変えて2006年2月に株式会社mixiが誕生しましたが、東京証券取引所マザーズ市場が決まりました。上場日は9月14日です。まずは皆様、おめでとうございます。 いよいよ我が国のSNSビジネスも本格化しそうです。


関連記事は以下の通りです。

▼ついにミクシィが9月14日に東証マザーズ上場

http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20200687,00.htm?ref=rss

▼ミクシィがマザーズ上場へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060814-00000059-zdn_n-sci

主幹事証券会社は大和證券エスエムビーシーです。
※引用
上場にともない、4500株を公募し、2100株を売り出す(オーバーアロットメントは500株)。公募・売り出し価格の仮条件は8月25日に決定され、ブックビルディング期間は8月29日から9月4日までとなっている。公募・売り出し価格の決定日は9月5日。主幹事証券会社は大和証券エスエムビーシー。
※引用終わり

●まず用語解説から

株式にはやや疎いIT技術者の皆さんにmixi上場を例に取り、上場の基礎的な説明をしましょう。本当なら保田さんに解説してもらいたいのですが、基礎的な話なら筆者でも判りますので簡単に用語解説をします。馴染み易いmixiの事例で上場のさわりの知識をマスターしましょう。

▼4500株を公募

これは新たに株主を募集し、増資を行うことです。増資の対象は4500株です。
 
▼2100株を売り出

売出しとは既存の大株主が持っている株を上場時に市場に放出する事を意味します。
 
▼オーバーアロットメント (野村證券の用語説明より引用)

当初の募集・売出予定株数を超える需要があった場合、主幹事証券会社が発行会社の大株主等から一時的に株式を借り、当初の売出予定株数を超過して、募集・売出しと同じ条件で追加的に投資家に販売すること。MIXIの場合、500株がオーバーアロットメントの対象になります。

▼ブックビルディング (オールアバウトより)

ブックビルディングとは、新規公開株の公募株の実質的な申込みとなるものである。新規公開株に対する需要を積み上げていくということであり、実質的に公募株買い付けの申し込みとなる。新規公開株に対する人気が強い時には、指定された価格帯の上限を希望価格として申し込むことになる。そして、あとは抽選で当選すれば、その公募株を買いつけることができる。

通常、株式上場時には主幹事証券会社が全ての株式を一括購入します。そして販売証券会社(主幹事証券はその中の一つ)を通じて販売します。ブックビルディングとは顧客からの公募株買い付けの申し込み株数を積み上げていくことですね。

●何が期待され何が大変なのか?

Mixiのみならず企業が上場されれば、色々なことが変ります。Mixiの場合、まず『ファインド・ジョブと言われるネットを通じたIT技術者の求人・求職部門とMixiそのものに関わる事業部門の間のお金がはっきりする』と言う点です。筆者はこれを最も期待しています。インターネット求人広告事業(ファインド・ジョブ)とインターネットメディア事業(Mixi事業)との数字の境目がはっきりするわけですね。

※引用
2006年3月期の業績は、売上高が18億9300万円、経常利益が9億1200万円、純利益が5億7600万円となっている。
※引用終わり

(株)mixiのこの数字は信じられない位、優れている訳ですが、この内訳がはっきりする訳ですね。一体、mixi事業部の売り上げや収益構造はどうなっているのかの概観が判ります。純利益が25%を超えていると言う信じられない数字の秘密が判ります。

筆者は2006年のmixi事業部の売り上げを約6億程度と考えていましたが、場合によってはもっと引き上げる必要があるかもしれません。(尚、筆者は我が国SNS業界全体で広告費だけで15億程度の収益を想定しています。)

一方、上場すれば、マザーズ上場企業が例外とは聞いておりませんので、2008年4月より企業改革法(J-SOX法)の影響を無視できなくなります。内部統制にお金や気を使わなければならなくなる訳ですね。

同時に株主の収益要請も厳しくなります。その結果、mixi事業部に対する収益圧力も強まり、逆にベンチャー企業の持つ自由な創造性が弱くなるリスクもあります。

しかし上場を果たせば、既にmixiはベンチャー企業ではありません。その結果、東京証券取引所と言う信用の大きな箔が付きます。これは法人顧客にとってmixi事業部にバナー広告やメルマガ広告、公認コミュニティを活用しやすくなります。(法人顧客にとって社内説得が楽になる。)放送局など大手の企業も上場mixiをメディア・ミックスの相手と考えるかもしれません。

大きな資本金や資本準備金を得れば、SNSの広告に必須となる動画への投資なども積極的にできるでしょう。上場によりmixi事業部がどう変っていくか楽しみです。

処でYahooや楽天は一体、何をもたもたしているのでしょうか?Mixiが上場すれば法人顧客の評価は、Yahoo、楽天、mixiと横並びになります。Mixiをこのまま天下取りに走らせるのなら兎も角、関が原の戦をしたいのなら時間がありません。

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山崎秀夫 / 日本ナレッジマネジメント学会専務理事

Posted by sns at 2006年08月14日 21:33
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