2006年08月20日
●ソフトバンク・モバイルの携帯電話SNSは成功するか?
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ソフトバンク・モバイル(ボーダフォンの10月1日からの新社名)が携帯電話SNSを開始するそうです。新社名への変更と番号継続制度(ナンバーポータビリティ)を見据えての新戦略です。多くのSNSプロジェクトが内部で進んでいると噂されている、ソフトバンク・グループのSNS戦略の新しい動きの一端が見えてきました。
関連記事は以下の通りです。
▼会員制ネット交流SNS、ソフトバンク、携帯電話で(日経新聞 2006年8月20日)
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20060820AT1D1809N19082006.html
●携帯電話SNS晩夏の陣の始まり
既にKDDI(AU)はGreeに出資し、Greeと提携する戦略を打ち出しています。
NTTドコモも炎上したとは言えmixiの公認コミュニティに参加して、SNS活用戦略に踏み出しています。
背景には総務省が10月24日から開始する番号継続制度(ナンバーポータビリティ)を見据えた顧客の獲得競争、既存顧客の囲い込み戦略があります。
KDDI(AU)はGreeを活用して既存の2,000万顧客の囲い込みを計るでしょうし、ソフトバンク・モバイルは直接自社でSNSを展開して新規顧客の獲得、既存顧客の囲い込みを狙うと考えられます。
こうなれば次はNTTドコモの出番を待つ番ですね。
MIXIの拡大と上場が話題となる中、SNS夏の陣の台風の目は携帯電話市場で暴風となっています。
●Web2.0は電話の基本サービスを無料化する風向き
ここに来て筆者も広告収入によって賄われる『Web2.0の無料ITサービス化』の持つ恐ろしさを痛感しています。
トーマス・フリードマン著『The World is Flat(フラット化する世界)』(出版社は日経新聞)などには予測が明確に書いてありますが、Web2.0の無料ITサービス化の動きはグーグルの提供する情報検索やブログ、SNSなどのコミュニュケーション・サービス、ワープロや表計算ソフト(マイクロソフトはここを恐れている)、電子メールなどのビジネスソフトの領域を超えて、遂に電話の基本料金にまで及ぼうとしています。これはぞっとする話です。活用側から言えば便利になって良いということですが・・。そう言えばYouTubeも全楽曲の音楽ビデオを無料にする方向でレコード会社と交渉中でした。
米国の固定電話は地域の料金が既にフラット=固定料金になっていますが、色々な予測や動きを見れば携帯も固定も通話などの電話の基本サービスは無料化の方向に向かう、ないしは安いフラット=固定料金の方向に向かい、電話会社は付加価値サービスで収益を上げるとだろうと見られています。(Web2.0の発想だと新たに広告料収入が入る。)
そもそもNTTの『NGN』 のような次世代のネットワークでは、固定も携帯もインターネットも区別無く、全てVoice Over IPのプロトコルにより高速ネットワークの放送も含めて統合される方向な訳ですね。
広告投資と言うのは米国では年間30兆から40兆円、日本でも一声5兆円と言われていますから、これがインターネットに流れると言うことは物凄い社会変化が起こるわけですね。
情報検索、表計算ソフト、音楽ビデオ視聴、更には電話の基本料まで、広告料金で広くカバーされる時代が来るのでしょうか?
電話のネットワークに関しては携帯電話会社の動き(携帯電話ネットワークからSNS(社会的ネットワーク)への進化の動き)が我が国では出ています。一方米国のAOLなどは、コミュニティをSNS化して、それから電話ネットワーク無料化の動きを始めています。
これは日本では技術ネットワークレイヤーから社会ネットワークレイヤーへ、米国では社会ネットワークレイヤーから技術ネットワークレイヤーへと言う逆の動きですね。
例えばAOLの電話無料化の動きは以下の通りです。
▼インスタント・メッセージングを強化し、SNSに改組する。
▼音声インスタント・メッセージングやビデオ・インスタント・メッセージングを導入すると共に数千万人のSNS参加者内の電話料金を無料にする。
▼外部の固定電話や携帯電話などとの付加価値通信で収益を上げる電話事業に進出する。
▼AOLサービス全体を開かれたポータル化して、インターネットにシフトする広告料収入も当てにする。
AOLの動きはSNSのTagworldなどがフォロウしようとしていますが、将来、マイスペースなどが採用するかもしれません。そうなれば参加者1億人の間の無料テレビ電話網などが出来上がる可能性があります。
●再び日本の物語
今後、携帯電話各社はSNSを活用して従来の電話料金収入の替わりに(一部犠牲にしても)付加価値や広告収益を生み出そうとすると考えられます。また上述したように電話の基本料金は(ゼロに向かって)漸次下げる方向に向かうと考えられます。だってmixiのような魅力的なSNS付きの携帯電話にニュースやECサイトが付いて、基本料金が殆ど無料となれば、参加者は喜んで囲い込まれます。
バブル前、金利で稼いでいた銀行は、最近は手数料収入を重視しています。昔は株の売買手数料で稼いでいた証券会社も外債や投信の手数料、FPによるコンサルフィーで稼いでいます。
今後は電話代では無く、付加価値サービスと広告収入で稼ぐ方向などそれと同じ事が電話会社(通信会社)に起こる可能性が我が国でも高まり始めたと筆者は見ています。
皆さんはあの誇り高い大手通信企業が広告収入で稼ぐ時代が来るなんて信じられますか? でもソフトバンク・モバイルや孫さんならやりそうな事ですよね?
通信事業におけるWeb2.0の恐ろしさを早く理解しましょう。
凄いですねえ、一体、どうなるのでしょうか? ワクワクしますネ!!
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山崎秀夫 / 日本ナレッジマネジメント学会専務理事
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