2006年08月23日
●Web2.0の破壊力-何をどこまで飲み込むのか?
Web2.0の破壊力が次第に明確になり始めています。『大衆表現社会による無料報酬と無料ITサービスの組み合わせ』と言う恐ろしい本質が、露(あらわ)になって来ました。
無論、SNSにも影響があります。
これをビジネスの変革と言う視点からは、どう考えたら良いのでしょうか?
グーグルの基本姿勢である情報や一部書籍(図書館のインターネット登録による)の無償提供、写真地図の無償提供、表計算ソフトやワープロソフトの無償化の動き、YouTubeの楽曲無償提供の動き、skypeやAOLなどの電話料金の無償化の動き・・・・オープンソース・ソフトウエア化の進展、CCライセンスの動きなども含めれば、インターネットに吸い込まれた商品やサービスは、一体、何がどこまで無料になるのでしょうか。
これは大変な既存ビジネスの破壊です!!
そしてそれらの経費は以下の形でカバーされようとしています。
1、 大衆の無償による投稿やソフト開発
2、 インターネットにシフトする多額の広告費
●インターネットにシフトする広告費の規模が課題
重要なのはWeb2.0が進展する為には、インターネットにシフトする広告費の規模がポイントとなってきます。現在、米国で30兆円から40兆円、日本で5兆円と言われる広告費の何割がインターネットにシフトするのでしょうか?
もし数年で2割がインターネットにシフトしたとすれば、米国で6-8兆円、日本で1兆円程度のお金が無料ITサービスを支える原資となります。
グーグルやYouTube、マイスペースはこのお金で経営を成り立たせる腹積りのようです。
●一体何が起きているのか?
はい、事の本質はそれ程難しくはありません。
バブル崩壊前の金融機関を例にとって考えて見ましょう。
例えば銀行は金利で収益を上げていました。ところがバブルが崩壊すると金利差益では殆ど儲からなくなりました。そこでフィナンシャル・プランナーなどを充実して手数料を中心にしたビジネスモデルに切り替えました。
今これと同じことが例えば通信業界で起き始めています。
米国では電話の基本料金は今でも固定のフラット料金のサービスが多いですが、これは何れ無料になると言う予測があります。
実際、AOLのSNSであるAIMPAGESなどはインスタント・メッセージングを電話やテレビ会議にグレードアップして4,300万人のSNS参加者の間では無料化する計画で進んでいます。
AOLが通信企業だとすれば、新しいモデルは電話の基本料ではなく広告料(そして付加価値)で稼ぐモデルと言うことになります。これは銀行が金利ビジネスからフィービジネス主体に切り替えたのと何ら本質的な違いはありません。 そうでしょ?
YouTubeは無料の楽曲提供を始め、レコード会社と広告収入を分けると言っています。これもレコード会社から見れば、版権ビジネスから広告料ビジネスへの切り替えでしかありません。
これまでの代表的広告ビジネスのモデルと言えば、民間テレビ放送のドラマ提供でした。全てが広告費でカバーされ、常盤貴子(古いかな?)、優香などの活躍を皆、無料で楽しんでいました。この広告費と無料の世界がインターネット上で表計算のビジネスソフトや音楽まで広がろうとしているのがWeb2.0と考えられます。
●日本の通信企業とSNSによるビジネスモデル
さて我が国でもGreeとKDDI(au)の戦略提携やソフトバンク・モバイル発足時のSNS運用などが報じられています。
筆者は今後の携帯電話や固定電話の顧客獲得戦略や囲い込み戦略は、直接知りません。
しかし間違いなく基本電話料は下がる傾向にあり、付加価値と顧客の投稿による総表現社会の楽しみや広告モデルの要素が入るだろうと予測しています。
広告収入で収益を上げる電話など通信企業とはテレビの民放のビジネスモデルと同じですね。
これはもしかして真の通信と放送の融合を意味するかもしれません。(笑)
面白いですね。わくわくしてきました!!
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山崎秀夫 / 日本ナレッジマネジメント学会専務理事
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