2007年03月26日
●アバター姿を飾る「自己愛」、セカンドライフに見る女心の妙
筆者は馴染みの女性と出会うと「今日は髪型変えたね?」とか「ちょっとニューヨークカジュアルじゃん!!」とか「ドレス姿も素敵だね」と必ず挨拶するようにしています。勿論、現実世界の話ではなく、仮想社会=新しいSNSと言われているセカンドライフの中での話です。
はい、仮想世界=セカンドライフはSNSとしての側面があります。第一リンデンリサーチのCEOフィリップ・ローゼンデールがそう言っていますから。(反論終わり)
それにしてもセカンドライフは本当に面白いですね。ライフゲームとは良く言ったものです。特に女性たちの熱中ぶりは凄いですね。多くの方々が殆ど毎晩、ログインしています。
●着せ替え人形に見る「自己愛」
セカンドライフをこよなく愛している多くの女性達と話をしたり、付き合っていると彼女達が現代の「着せ替え人形ごっこ」を心から楽しんでいるのが良くわかります。
アムステルダムのナイトクラブでダンスを踊る時には自分のアバターを「ドレスアップ」し、リビエラの浜辺を散歩する時には、「素敵な水着姿」、日本の寺で座禅を組む時には「スポーティなジーンズ」を履き、小京都の長屋では「和服姿」になると言った具合に仮想の人生を楽しんでいる訳ですね。奇麗な自分のアバター姿にうっとりしている女性達が大勢いて微笑ましいです。
★女性「私のことどう思います?」
★筆者「チャーミングでアトラクティブで、ファスシネーティングで・・・」
(ここではありったけの英語の賛辞を思い出して冷汗をかいているシーンですが・・)
★女性「有難う・・・・」
これ、一昨日、映画「300」のプロモーションビデオを楽しんだ時に筆者に話しかけて来たパリジェンヌとの会話のシーンからの引用です。
それにしても彼女達はしょっちゅう、ちょっとずつ姿をいじっています。
ある時は西洋顔のバービーちゃん、ある時は日本顔のリカちゃんとムードによって使い分けている女性もいます。(日本顔は少ないのでお金がかかりますが)
大人になってから自分を美しく装う「お人形さんごっこ」の一体、何がそんなに楽しいのでしょうか。
心理学者のフロイトは自らを愛することを「ナルシシズム=自己愛」と呼びました。昔のギリシャ神話に出てくる美少年の物語ですね。ナルシスは水面に移った自分の姿に恋をし、遂に水死してしまいました。
では何故現代の女性達が仮想空間で「ナルシシズム=自己愛」を楽しむのでしょうか。筆者は、これは一種の「心の浄化作用=カタルシス効果」だと思っています。
あるメイド姿の女性が仮想空間のカウンター向こう側で言っていました。「今夜は週末だけど明日の土曜も明後日の日曜も仕事なのよ。」「でもここで毎日、衣装をちょっとずつ変えて美しく装っていると全てを忘れてしまうわ・・・」 まるでお人形ごっこに夢中になる女の子のようです。(場所は仮想池袋か仮想品川か忘れました)
●大人の女性の「ままごと」の楽しさ
カウンターの向こうから「このドーナツどうぞ!!」「このパイは作るの、難しかったわ・・」お客さんが筆者しかいないせいか、カプチーノと一緒にどんどんリンデンドルゼロ表示の無料のお菓子が出てきます。
こうして多くの女性達がプリムと言われる5個から6個の基本材料を使ってお菓子やお花、家具、建物などを作って楽しんでいます。
筆者は昔、姉に付き合わされた「おままごと」をふと思い出しました。
上野のカフェー(セカンドライフのUENO)に深夜行くと大抵、4-5人の女性が「今日はブローチ作った」、「昨日はテーブルクロス作った」と言ったままごと談義を楽しんでいるのに良く出会います。
昔、社会学者のアルフレッド・シュッは、「ままごとに興じている女の子にとってはお人形が赤ん坊であり、その瞬間彼女の心は母親になりきっている」と言いました。これが有名な「複数の現実」な訳ですね。セカンドライフの事、そのものです。
女性たちの「インナーチャイルド(心の中の子供)」が刺激され、空想世界に遊ぶ「逃避や昇華と言った一種の防衛機制」が働いて、女性たちの創造性を刺激しているのかも知れませんね。
注)防衛機制=厳しい現実の世界から一瞬逃れたり、別の世界にエネルギーを向けて潰されそうになる自分を守る心理が働くこと。(こんな説明だと怒られるかも 汗)
モンゴメリーの小説「赤毛のアン」のように、「ごっこ遊び」の中で「夢見る少女時代」を過ごす女性は多いですから。
●SFの世界を愉しむ男性達
では男性はどうでしょうか
筆者の場合、大抵、女性に目が行くのでちょっと観察不足かもしれませんが、動物になったり、スターウオーズのキャラクターの姿をしたり、新型カーに乗ったり、どちらかと言えばSF、冒険の世界を楽しんでいる人々が目につきます。
スーパーマンになったり、エバを演じたり・・・これは「男性のごっこ遊び」ですよね。 一種のノスタルジーへの回帰という防衛機制効果があるのでしょう。
●遠距離恋愛と「心の現実」を楽しむ凄さ
セカンドライフに長くいるとわかりますが、大抵、女性はナンパを経験されています。この点外国人男性の方が断然、積極的なようです。
女性は大抵の場合、上手く避けていますが、中には相手が信頼できると思えば付き合っている人もいて、仮想のデートを楽しんでいます。
距離が離れた二人がぺブルビーチの海岸へ行ったり、ニューヨークのマンハッタンでダンスをしたり、街を歩いたり、本当に楽しそうです。
物理的な世界での遠距離恋愛の男女は、携帯電話でお互いの声を聞いたり、インスタントメッセージングで連絡しあったりしています。そして昔の対面でのデートの雰囲気を無意識に感じながら相手の感触を楽しむ訳ですね。でもセカンドライフでは、目の前のアバターによる人形劇が二人の「心の現実」を見える形にしてくれます。これはちょっとこたえられません。
かつて心理学者のフロイトが「実際の現実」よりもそれぞれの個人の持つ「心の現実が大切」と言いましたが、セカンドライフのデート(ネットイベント)は、それを具体的な形にしてくれます。
手塚治虫の「火の鳥、未来編」では、主人公の男の子が女性ロボットを心の中でかつての恋人として認識しているシーンが中心ですが、そんなイメージですね。
●美男美女の世界とシンデレラ症候群
仮想世界は周りが皆、美男と美女ばかり、全体が中世のお城の舞踏会のようです。
毎日、物理的な世界で灰をかぶって働いている男性も女性もシンデレラの「ガラスの靴」の美しさに憧れ、魅惑されているのでしょう。そして現実世界での「垢やイライラ」をきれいに洗い流して、浄化している訳ですね。
日記を書いてコメントを書いてそれで終わりと言うmixiとブログの生活やパタン化されたゲームに飽き飽きした人々には、絶え難い魅力のテーマパークでしょう。
マイク・チクセントミハイはこれを「フロー体験」と呼びました。夢中になって我を忘れさせてくれる体験のことですね。セカンドライフには、日常生活の中での「マイクロフロー」と言う小さな喜びがあります。心理学者、マーチン・セリグマンの言うポジティブ心理学に詳しく書いてあります。
セカンドライフに見る「心の現実」は、内容が深いですね。デザイナーを心ざす人々や多くの女性の心の中に潜んでいる想像性と創造性、無限の可能性を夢のイメージとして引き出すセカンドライフは面白い!!非常に内容が濃い世界です。(セカンドライフを深く理解するには科学的な認知心理学より、フロイトさんやユングさんのイメージの世界の「夢説き」の方が余程、ぴったり来ます)
セカンドライフが「何にも無い空っぽの世界」なんてとんでもありません。
日本でのビジネスにはまだ参加者数が不足ですが・・・そういえば昔、「インターネットはからっぽの洞窟」という本がありました。
最後に筆者のセカンドライフで友達申請を受け入れてくれたフランス女性とのツーショットを載せます。友達になれば距離が離れていてもIMが送れます。ね、これどう見てもSNSですよね。
写真はワーナーブラザーズ映画「300」のプロモーションを見ながらフランス人女性とデートする筆者


日本ナレッジマネジメント学会 専務理事 山崎秀夫
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