2007年03月19日

●メディアの未来 バイアコム VS グーグルーYouTube連合の争いの行方

今米国では俄然、「バイアコムが10億ドルの訴訟を起こした」点に注目が集まっています。グーグルーYouTube連合が相手ですが、そこにメディアの未来が見えてきます。
記事はバイアコムのアプローチは20世紀型の古い著作権の考え方だ!! グーグルーYouTube連合との解決法は何かあるはずだと言う主張です。

元ネタの記事は以下の通りです。

▼At Stake in Viacom vs. Google Lawsuit: Future of Media

http://adage.com/digital/article.php?article_id=115629

 Web2.0の世界ではインターネット上のコンテンツは無料と言う暗黙の了解があります。でもコンテンツを製作するには沢山のお金がかかります。その矛盾の現れの一つが今回の裁判ですね。

ケーブルテレビのバイアコムのような既存メディアの目にはグーグルーYouTubeの動きが権利侵害に見えていました。

だから今回の裁判は既存メディアからの反撃、コンテンツのコントロールを自分たちの手に奪い返そうと言う動きと見ることも出来ます。

バイアコムはYouTubeの参加者は「単なる著作権違反者」と見ています。確かにこれは古い見方ですね。一方グーグルは、YouTubeの参加者は、芸術で言うコラージュを作り上げるような創造的デザイナーと見ています。コラージュ作品の中に時々既存メディアの作品があるだけだと言う見方です。

引用

But the struggle between original content and new-media distribution goes beyond video. The Guardian in the U.K. recently published a doomsday editorial by Sasha Abramsky, of the think tank Demos, on the idea that if too many people ditch newspaper subscriptions and rely solely on online aggregators of news content, the financial underpinnings of news-gathering services come into question. "If the L.A. Times doesn't generate news from places like Iraq, how will Yahoo, which doesn't operate its own bureaus, maintain a reliable stream of professional-quality reporting? In a very real way, the internet risks killing off the goose that keeps laying its golden eggs," Mr. Abramsky wrote.
引用終わり

ある意味で工業製品としてお金をかけたコンテントの製作者とYouTubeのような無料提供を理解するディスティリビューターとの対立は、バイアコムが主張しているビデオの領域を超えています。金の卵を産むガチョウがコンテント製作者です。
例えばインターネット参加者が、新聞の購読を辞めて、皆yahooで記事を読むようになれば、金の卵を産むガチョウとも言うべき新聞社は滅びてしまうと英国の有力新聞のガーディアンは主張しています。これは面白い見方ですね。

引用

As laid out in Bob Garfield's "Chaos Scenario," the problem for many media companies is maintaining their key revenue streams until (hope, hope) online ad models are robust enough to replace the ones traditional media have grown up on.
引用終わり

問題はWeb2.0と言う歴史の転換点に当たって、インターネット広告を基本としたビジネスモデルが本格的に登場し、各社が稼げるようになるまで、既存メディアは、如何にして従来型の収益モデルを守れるかにあるようです。

引用

"They need to radically invest online, but I think they're afraid of upsetting the cable MSOs and not thinking outside the box."

引用終わり

バイアコムのような会社はオンラインに本気で投資しなければいけないのだが、結局怖い、そして既存の発想から抜けられないと言う見方もあります。

引用

Jeff Jarvis, author of Buzzmachine.com, has been loudly critical of Viacom's anti-YouTube actions because, he said, "Viacom is trying to position this as stealing, but the truth is it is [Viacom's] fans recommending its content. Recommendation is the new marketing."
引用終わり
 YouTubeの参加者に関して、バイアコムは著作権を故意に侵害していると言う立場を取っています。でもどうやらこう言った見方は次第に少数派になり始めているようです。「これは著作権違反をしようとしているのでは無い。寧ろ仲間にこれは良いよ!!と推薦しているんだ。これは一種のマーケティングに活用できる」と言う見方をする人々も増え始めています。

どうやらYouTubeなど少数のサイトに視聴者が集中している現象は止められないようです。何故バイアコムのサイトに投稿するのではなく、YouTubeに投稿するのか、YouTubeがそれだけ消費者から支持されていると言う訳ですね。

感想

 この記事の主張はとても面白いですね。視聴者に見放され、新しい世界に出て行く勇気のない、負けたバイアコムが何を言っても始まらない。古い著作権の考え方にこだわるのでは無く、勝ち組のグーグルーYouTube連合と組んで広告費の分配に預かった方が良いよということなんでしょう。
金の卵であるドラマや記者による記事を製作するマザーグースの伝統メディアも苦労しています。メディアの世界では、石炭から石油への切り替えと同じことが起こっています。でもどっちかって言うと嘗ての「ダイエー 対 松下電器」の争いに近いですかねえ。グーグルーYouTube連合は流通業ですから・・・(笑)

 日本ナレッジマネジメント学会 専務理事 山崎秀夫

Posted by sns at 2007年03月19日 18:30
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