2007年05月23日
●会合衆のMagSLか戦国大名の電通か、セカンドライフ日本人町統治の行く末
日本最大手広告代理店の電通がセカンドライフでMAX30の島を買うと言う進出計画の記事がマスコミ記事やネット記事に乗りました。電通だけでなく日本企業が二桁単位の島を買いデヴェロッパーを目指す動きが出始めています。果たして仮想社会は、企業主導で作り上げることの出来る町なのでしょうか?
電通さんのセカンドライフ進出計画は、これまで色々な噂がありましたが、遂にその具体的な姿が浮上し始めているようです。
▼セカンドライフ、日本も乱舞(東京タワー開業、電通は最大級都市建設へ)
http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz07q2/534069/
電通さんは2007年の7月初に「バーチャル東京」という仮想都市をオープンさせるんだそうですね。
▼電通、「セカンドライフ」内で都市開発・販促で企業間連携提案
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=NN002Y105+18052007
引用:
7月上旬に仮想都市「バーチャル東京」を開設、企業を誘致して“土地・建物”を提供するほか、イベントを開催するなど都市の運営全般を手がける。異業種企業が販売促進で連携するなど、セカンドライフを生かした新たな広告・宣伝手法も提案する。
引用終わり
以下は参考になる最近の動きとして上げておきます。
▼ 急速に進化するセカンドライフのマーケティング
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/eigyo/rensai/yamazaki.cfm?p=1
▼ IBMセールスマン、配属先は「Second Life」支店
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0705/17/news028.html
●町衆が作り上げてきたセカンドライフの日本人町(日本人居留区)
セカンドライフ内の日本人町の走りは、セカンドライフ経済のなかで100万ドルの価値を持つ資産を形成することに成功したと言われるアンシー・チャン氏(ドイツ在住の中国人女性)が、セカンドライフ内のサンドボックスであても無く漂流する日本人のために「Togenkyo」と呼ばれる島(sim)を立ち上げたのが最初とされています。
そして本格的な日本人町の立ち上げは、デヴェロッパーMagSl(株式会社ジップサービス)が山手線の各駅の名前や東京都23区の名前をつけたプライベート・ランドの連合体を立ち上げて企業や一般住民宛に区画整理された土地の販売を開始して以来、日本人町は急速に発展しました。
その周りにメタバーズやメルティングドッツの島、更にSLingHokuriku日本人居住区などが立ち上がって、昨年の末から今年の連休頃までの短期間に日本人町が出来上がりました。
そして筆者も一メンバーとして参加する「宝島」などの町衆が色々なイベントを企画し「宝島」などの町衆が色々なイベントを企画し、それが町や村の祭りとして国際都市日本人町の誕生を盛り上げました。この2-3ヶ月の間にも、幾つかピックアップしただけでも多数のイベントがありました。
★セカドルの選出 (これはミスアバターの選出と言ったところ)、初代はカブキのダンサーのサエさんが選ばれました。
★イケ面アバターの選出
★結婚式
★ファッションショー
★ピアノコンサート
★DJによるイベント
★人気のオキナワのオープニング
★国際マラソン
その成果の上に立って電通などの広告代理店が多くの島を立ち上げてセカンドライフの日本人町に進出を図っています。
●大手広告代理店のセカンドライフ進出は成功するか?―それは余りにも早い前哨戦―
デザインは元セガの方が行い、年内に30社を誘致し、一社当たり土地店舗の運営費として600万円から6000万円を売り上げる予定です。
テレビCMの値段が一本当たり2000万円から3000万円の収益を上げている広告代理店業界であることを考えるならば、確かにこの値段付でないと企業本体がビジネス展開するのはコスト的に難しいと思われます。
参加者が働いたり遊んだり出来る場所(遊び場など)などを造るそうですが、一体どこから参加者を呼んでくるのでしょうか?
大手広告代理店のビジネスは飽くまでも広告中心のマーケティング企画の発想だと考えられますので、広告の対象としては二つしか考えられません。
★横のマーケティング(仮想社会の中のマーケティング)
町衆が作り上げてきたセカンドライフの日本人町(日本人居留区)から招くアプローチが一つ考えられます。
これは町衆が苦労して作ってきたネットイベントの取り合いになる可能性があります。商店街や町のデヴェロッパーの方々から見れば、自分たちが商業施設を立ち上げて町おこしを住民と協働で行っている矢先に「大店法」による規制緩和が始まって、大手のスーパーがどっと出てきて、町衆をかっさらったと言うイメージになりかねません。それとも共存共栄の道が開けるのでしょうか?
★縦のマーケティング(仮想社会に出たり入ったりのマーケティング)
各企業が持っているファンクラブから連れてくる。各企業は対面やWebサイト、メルマガ、SNSなどを活用して、それなりにファンクラブを立ち上げています。そのファンクラブの展開の一つをセカンドライフで行うわけですね。
これはこれで既存の町のデヴェロッパーさん達と競争が激化します。但し、筆者が町のデヴェロッパーさん達の立場ならば、まず大手さんにはコスト的に負けることはない為、如何に良い企画案を安く通すかを考えますが。いずれにしても大手広告代理店さんが企画されている数十社の顧客を両者間で奪い合いあいになると思います。
無論、電通さん以外のテレビ関係とか広告代理店もそれぞれ水面下で企業主導の日本人町立ち上げに動いています。例えば映像関連の企業、デジタルマーケットは「現実の東京タワーを運営する日本電波塔の依頼を受けて、仮想の東京タワー」を立ち上げています。今後島の数を10程度に拡大するそうです。
こう言った外部からの大規模な企業参入が今後、どんどん出てくるでしょう。現在の日本人街を立ち上げたデヴェロッパーさん達の強みは「会合衆」の支持を取り付けている点でしょう。
昔、戦国大名の織田信長は「会合衆」が支配する堺の町に降伏を求めました。その結果、堺が幸福になったかどうかは知りませんが。
「堺の町の商人の旧家を誇る主にて親の名を継ぐ君ならば、君死に給うこと無かれ」と与謝野晶子は日露戦争当時、歌いました。会合衆の支持を受けるMagSLか、戦国大名の電通などの大手企業か・・・・・
こうしてきっと日本人町の統治を巡る戦いが夏からはじまりますが、今回のぶつかり合いは余りにも早いその前哨戦と言う気がします。「旅順の城は滅ぶとも、滅びずとても何事か、君知るべきや商人の家の掟になかりけり・・・」
果たして広告代理店と言う大手企業主導で、仮想日本人町のような難しいネットコミュ二ティの立ち上げが簡単に成功するのでしょうか。
日本ナレッジマネジメント学会 専務理事 山崎秀夫
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