2008年01月13日

●Googleキラーとも言われる「Mahalo」を徹底的に使ってみた

RWWなどで、検索エンジン「mahalo」が注目されていました。そこで色々調べてみました。

参考:Hitwise Intelligence - Heather Hopkins - US: Wikia Launch & Mahalo Growth

参考:Believe it or not, Mahalo is Growing - ReadWriteWeb

参考:人力が加わった検索エンジン「Mahalo」 :ソーシャルメディア.jp(自己言及)

このmahaloというのは「Googleキラーか」と騒がれたこともある検索エンジン。最近、ユーザ数が増えているそうで。賛否両論のAlexaで調べてみると確かに増えているようです。トラフィックランクは3,449位。

» mahalo.com(Alexa)

そこで個人的に思うに、Mahaloの強みは以下の4点ではないかと。

  • 人力
  • ソーシャル
  • 検索しない検索
  • 細かい配慮

以下に詳細を。

■人力

このmahaloの特徴を一言でいうならば「人力」という点にあります。

一般的な検索エンジンとは違い、このMahaloでは検索結果を手動で入力しているのです。

つまり、よく検索されるキーワードに対して、検索結果ページを社員が作成。しかも、単なるリンク集ではありません。そのキーワードにふさわしい形にして、検索結果をアレンジしています。

たとえば以下が、「Steve Jobs」の検索結果。

steve.gif

まず目につくのはは「Mahalo Top7」という7つのリンク。これは「選ばれし7つのリンク」というようなもの。対応キーワードであれば、どの検索結果にも使われているコンテンツです。このように検索結果を厳選しているというのは、検索結果に埋もれる昨今においては便利といえば便利です。

次の特徴を見る前に、このキーワードと他のキーワードの検索結果を比較してみましょう。以下が「apple」で検索した結果。

apple.gif

以下は「Japan」で検索した結果。

japan.gif

さて、まず「Steve Jobs」の結果には、以下のような「プロフィール」情報が記載されています。

ste2.gif

対して、Appleの検索結果では、Apple社の株価が。他にも競合やAppleのサポートページのリンクが表示されています。

aple2.gif

そして、日本の検索結果には地図が。歴史や文化に関してのリンクもあります。

japa2.gif

このように検索結果が、「人名」「国」「企業名」など、そのキーワードの種類によってカスタマイズされている点が特徴的です。

この点においてWikipediaと検索エンジンの融合といった表現をされることもあるようです。

ただ、いわゆるところの「ロングテイル」をターゲットにしたわけではなく「よく見られるページだけを集中的に潰していく」という戦略は、ニッチを狙うソーシャルメディアが多い昨今では、独特の立ち位置と言えるのではないでしょうか。

なお、ご参考までに以下の記事では、80%の検索クエリは20%の検索キーワードが生んでいるという情報が紹介されています。

参考:【コラム】シリコンバレー101 (226) Googleの敵か味方か? 手作り検索サービス「Mahalo」 | ネット | マイコミジャーナル

このような無謀ともいえる人力ですが、現状のトラフィックを見る限り、成功する可能性はあるのではないでしょうか。実際、昨今ではスパムサイトが乱立する昨今では、このようなノイズがない検索結果は便利なのは事実です。

■ソーシャル

2点目は、ソーシャルな点。つまり、ユーザの参加を積極的に推奨しています。たとえばユーザは検索結果を作成したり、リンクを修正したりすることも可能です(ただしチェックは入る)。

一般的な検索エンジンは「結果に手を加えられない」ことを考えると、これも新しい試みかと(Googleの新しい試みや処々のMySearchなどは研究されているところだとしても)。

実際、このMahaloではSNS機能があります。アカウントを作成すると、SNSのように友人と繋がることができます。

maha1.gif

そこでは、おすすめリンクを投稿できるようになっています。しかし「そんなの投稿するのかな?」と思いましたが、よく見るとユニークな試みが仕掛けられていました。

それは「あなたが投稿したリンクがいくつ承認されたか」という数字を可視化している点です。

Wikipediaの編集合戦も人気ですが、このような「承認された数」が可視化されている点では、そのようなランキングがユーザのモチベーションになるのかもしれません。昨今ではWikipediaにリンクされることが色んな意味で利点があると考えられる向きもあるようですが、このMahaloもそのようなステータスを得ることができれれば、加速度的にリンクは増えていくのではないでしょうか?

蛇足ですが「リンクを一杯されば、あなたのファンが増えるよ!」というあおりも。SNSの機能を活かして、友人のおすすめリンクを見ることもできる。

またFirefoxアドオンがあり、そこから各ページの推薦などを行うこともできる。

fi.gif

そして各ページの末尾には「誰によって作成されたか」「誰が参加したか」というような情報も表示されます。Wikipediaやはてなキーワードを彷彿させますね。

maha2.gif

そして、各ページはメールで友人と共有することができます。さらには、各SNSなどに埋め込むことも可能です。

maha3.gif

このように、かなり積極的にソーシャル化(ユーザ参加)を推進しているのがMahaloの特徴だろう。

昔、SNSと検索エンジンを融合させたeureksterというサイトがあった。また昨今ではYahoo!がSNSとメールとの連動も検討しているとか。

そのように、SNSの新しい形としても、このような検索を主体としたサイトはまだまだ可能性があるのではないでしょうか。

■検索しない検索

Mahaloのトップページにはディレクトリが表示され、各カテゴリーに関するキーワードなどが表示されれています。

この点では少しYahoo!に近いかも。

mahalo2.gif

もちろんニュースにも対応しており、その点では、ニュースサイトやTechmemeなどと近い存在ともいえるのかも。

こう考えると、ユーザはむしろ「検索する」よりも「クリックで情報を探す」という行動になっていくのではないでしょうか。実際、「今日、人気のあったページ」というランキングが各ページに表示され、ユーザに積極的に情報を提供するという姿勢が見られます

maharlo5.gif

なお、このMahaloでは、対応されていない検索キーワードを検索すると、Googleなどの検索エンジンの検索結果が表示されます。

maha9.gif

ただGoogleだけでなく、AskやWikipedia、YouTubeなどでも検索可能。この辺りの自由さが今後のWebサービスの未来を感じさせます(クロスプラットフォームというかなんと言うか)。

■細かい配慮

以上の3つが検索関連の機能だとすれば、ここでご紹介したいのは「検索以外でのMahaloの強み」。

いろんな細かい仕掛けが施されれて居ます。たとえば各検索結果はRSS feedを準備。さらには、各ページのOPMLまで準備されています。そしてCCも。

このような一件、小さなことに見える配慮ですが、やはり便利です。

maha5.gif

そして極めつけは「Mahalo Daily」という動画でのニュース配信。現在はCESのレポが流されています。

show.gif

検索エンジンとは関係のないコンテンツに見えますが、これによりユーザのリテンションを獲得できますね(RWWも言うように)。実際、昨今はこのようなショートニュースの動画配信は人気で、それにあわせたコンテンツともいえます

(たとえば有名やロケットブームBoing Boing TVWebbAlertなど)

そして単なる動画ニュースの配信だけでなく、各パーマリンクの下部にはこのようなものが。

maha89.gif

以下がざっと加えられている機能。

  • mahaloへの関連リンク
  • ダウンロード機能
  • 各SNSのグループへのリンク
  • RSSはもとよりiTunesでの配信
  • タグ
  • Diggリンク
  • 問い合わせのメールアドレス

もうありったけぶちこんでみましたという感満載の充実ぶり。おまけにリポーターのVeronica Belmontさんのリンクもちゃんとmahalo内に設置。

そして、ユーザが各検索結果のページを作成すると10ドルから15ドルの報酬をもらえるという仕組み(Mahalo Greenhouse)まで。

gre.gif

もちろん公式ブログもあります。

公式ブログ:Mahalo Blog

■まとめ

以上がざっとMahaloの中身を見てみた結果です。まだこれでも見落としているものがありそうですが。

個人的にはサービスを作る時には、機能やコンテンツは出来る限り絞る傾向にあるのですが、これはその対極。「便利な機能」をがりがり入れてみた、というような勢いに感銘さえ受けます。シンプルを愛するGoogleの対極ともいえるのでは。

ただ、こんなにたくさんの機能がありつつも、非常に使いやすいのも事実。それはデザインの力なのか、ユーザビリティへの配慮ゆえか、あるいは、このような機能が全て計算しつくされた上で入れられているのかわかりませんが、とりあえず、「よくできているなぁ」といった印象。

ちなみに創始者はWeblogs.incを立ち上げたJason Calacanisさん。1970年生まれです。以前はBoing BoingのXeni Jardinさんたちと仕事をしていたこともあるそうです。また、新Netscapeのゼネラルマネジャーをしていたことや、セコイアの中にいたことも。なんともドットコムな経歴。

氏のブログ:The Jason Calacanis Weblog

氏のWikipedia:Jason Calacanis - Wikipedia, the free encyclopedia

参考:Jason Calacanisが人力検索Mahaloを本日ローンチ

もはや、これは検索エンジンの枠ではくくれないような気もします。WikipediaとSNSと検索エンジンを組み合わせたようなもの、とでも言えば良いのでしょうか。あるいは、よく耳にする次世代の検索エンジンとなるのでしょうか。

なんともまだわかりませんが、とても気になるサービスでした。

原田

Posted by sns at 2008年01月13日 16:16
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