2008年05月16日
●マイスペース制作の「テレビドラマ」は成功するか(マイスペースチャネル)
二三日おきに3分間のショートビデオを投稿し、既に千二百七十万回以上見られているのがマイスペーステレビ上の番組「Roommate」です。伝統的なフォックス・テレビの手法でプロが制作した番組ですが、自動車のフォードがスポンサーです。マイスペーステレビを運営するニュースコープは、「このプロジェクトは既に黒字」と言っています。
制作はマイスペースが直接、行っています。遂にインターネット放送局になった訳ですね。既に第二シーズンに入っています。
英国のBBCなどもマイスペースやYouTube上にチャネルを持ち、クリップを投稿していますが、マイスペースの場合には、フォックステレビの手法を活用してプロのドラマを自から制作して、成果を出しているのは凄いですね。
2009年2月にテレビが完全デジタル移行する米国では、テレビ局などによる仮想社会サービスの積極活用を始め、色々な試みが始まっています。その一つがマイスペーステレビです。
★MySpaceTV: Teaching New Media Old Tricks
http://www.businessweek.com/magazine/content/08_19/b4083050325909.htm
引用
引用:
News Corp. aims to make its new Web-TV venture a stripped-down version of Fox, with three-minute episodes sponsored by the likes of Ford
引用終わり
★Roommates - Roommates S2 Ep20: The Love We Make - Season Finale
http://vids.myspace.com/index.cfm?fuseaction=vids.channel&ChannelID=234476485
これがマイスペース制作の三分間ドラマ、「Roommate」です。
エピソード第20ですが、ここから全て見られます。
● バイラルアド並みのコストとフォックステレビの手法の融合
まあ、今回のアプローチは、伝統的なテレビ手法とWeb2.0型のアプローチの混合型です。それによりマイスペースがインターネットテレビ番組の制作も引き受けた訳ですね。
それにしても凄いですね。バイラルアドなどを調べていた数年前には、CMが一本、500万円程度で作成され、それをそのまま企業のWebサイトから流すと凄く安上がりと言う話を聞いたのもつい先日のような気がします。物語=シナリオの楽しさだけで勝負し、役者は有名俳優を一切使わないと言うアプローチですよね。だから安くあがります。
テレビのスポットCMは制作費が2、000万円から3、000万円、放送料が5,000万円から一億円程度が相場ですから。
今回のマイスペーステレビ上の番組「Roommate」は、三分間の番組制作費が一本5,000ドル、1時間に引き延ばすと10万ドルに相当します。マイスペースは役者一人に日当を100ドル支払っているそうです。これは組合との協定の最低賃金と言われています。
フォックステレビという伝統メディアとマイスペースというWeb2.0系のサービスを両方抱えるニュースコープは本気でテレビの完全デジタル移行の危機=機会を乗り越えるつもりのようです。このアプローチもその一環ですね。
広告主企業への営業には直接、ニュースコープが乗りだしています。
広告手法は徹底してドラマの中に商品が登場するプロダクトプレースメントです。
● 背景
マイスペースの売上や収益見通しがなかなか予測通り(年間10億ドルの売り上げ)にはいかないので、それに業を煮やしたニュースコープが伝統的なフォックステレビの手法をマイスペースチャネルに持ち込んだというのが真相のようですが。
● 今後の方向
今のところ大成功ということで、今後はテレビシリーズのリメークである「Dirty soap」など12のテレビ番組を新たに立ち上げるそうです。
わが国でもテレビドラマの派生ドラマがインターネット上で作られ、放映され始めていますが、まだここまで既存のテレビ局などは本腰を入れていません。
マイスペーステレビの成功は、目前のテレビのデジタル移行に伴うインターネットへの広告費のシフトの本格的な波を受けたものだけに、世界的に見て大きな影響があると考えられます。
その内、日本でも市場の収益予想をやや下回っているmixiなどがテレビドラマの制作に本格的に乗り出すのでしょうか。中長期の課題ですね。
★mixiやYouTubeで新作ドラマ無料配信 CM収益、再生回数に応じて分配
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0804/17/news136.html
これも面白いですね。でもテレビ局が本気にならないとまだまだでしょう。
日本ナレッジマネジメント学会 専務理事 山崎秀夫
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