2008年10月07日
●アバターの見えない企業EXPO用「バーチャルイベント」は普及するか
シスコシステムズなどがネット上でのイベントである「仮想イベント(バーチャルイベント)」の本格活用を始めています。IBMもSAPの販促用に活用しています。ネット上でのリアルタイムを中心とした展示会は普及するのでしょうか?
飽くまでも物理的なイベントの補足としての開催と言うことですが、交通費や時間、ホテル代などはイベント参加費の6割です。石油高の折、イベント参加費が6割減るのは大きいですね。また主催者費用は約2割程度で済むそうです。
セカンドライフでも一般消費者向けのマーケティングが盛んに試みられ、多くの企業が失敗して去っていきました。でもB2BはIT系企業が特に上手くいったと言われています。だからIBMやシスコは以下のようなサービスに熱心になった訳ですね。このサービスはアバターが目立ちません。
まあ以下のような特徴がありますが。
①まだ活用企業の中心はIT系が多い。
②Webベースであり、既存のWeb2.0技術やパワーポイント的な表示などのオープン・オフィス技術と結合している。動画などがwebcastされる。
③仮想社会サービスの要素はあるが、本格的な使い方ではない。
ブースの選択や会議室などが静的に表示されている。
④参加登録の際にSNS用のプロフィールも作成される。
⑤名刺交換サービスなどがある。
⑥アバターは飽くまでも補足的に活用されている。
⑦ブラウザーベースであり、時差を活用した利用もできる。
⑧チャットなどを主体とした主催者(含むアテンダント)やレクチャー講師、他の参加者とのコミュニュケーションが中心
ネットイベントの動きは10年位前からありましたが、Web2.0の影響で市場が立ち上がり、セカンドライフなどの仮想社会サービスの影響で産業界にも普及が始まっています。
ただ上述したようにブラウザーベースのサービスのため、本格的な3Dインターネットと言う処までは進んでいないようです。(むしろ、これからの課題ですね。)
バーチャルイベントの特徴は「B2B」型の利用がまだ中心であり、セカンドライフで試みられたような生活者=消費者をターゲットとしたものはまだ少ないようです。
このような視点を「現実強化の視点(augmented reality)」と呼びますが、セカンドライフのようにアバター名で極楽浄土と言う仮想社会で羽を伸ばすのと異なって、娑婆世界の立場からバーチャル・カンファレンスに会参加する訳ですね。
1)IBMやコンサル企業、製薬会社などが活用している。
代表的なサービスプロバイダーであるUnisfair(http://www.unisfair.com/)のWebサイトを見て見れば一目瞭然なのですが、IT系の有名企業やコンサル企業が「仮想イベント(バーチャルイベント)」に参加しています。グーグル、マイクロソフト、コナミ、ベルアトランティック、KPMGの名前が見えますが。
通常は1.5日程度、ライブイベントが行われ、5つのカンファレンスに約3,000人が世界中から参加し、平均2.5時間滞在するそうです。
幾つかの場合には、その後約3か月ほど展示が行われ、その間に時差を活用した訪問者が次々に訪れると言う運営形式になっています。
Unisfairは年間で200回程度のバーチャルイベントを行っています。(2002年のサービス開始以来、合計400回実施したが、この一年間は200回実施)
★Virtual Conferences' Home Advantage
http://www.businessweek.com/technology/content/may2008/tc2008054_560356.htm
2)シスコシステムズのシスコ・パートナー・スペース
http://www.ciscopartnerspace.com/index.jsp?id=2242
これはルーターなどのメーカーである有名なシスコの代理店会のアニュアルイベントのために作られた自社専用のプラットフォームの名前です。B2Bのイベントですが世界中から代理店が参加する訳ですね。
2008年4月にハワイのホノルルで行われたシスコシステムズの「シスコパートナーズ・サミット2008」は、物理的なイベントとネット上での仮想イベントの両方が行われました。参加者は物理的なイベントが2,000人、仮想イベントが1,000人だったそうです。
シスコは代理店のために「シスコ・パートナー・スペース」を立ち上げました。プラットフォームとサービスはUnisfairのものを活用しています。
例えばカンファレンスホールに行くと「仮想社会によるセミナールームの雰囲気」が準備されています。(その他展示会場などにも進めますが。)
また説明などは動画のプレゼンテーションとパワーポイント形式の資料などで行われます。
飽くまでも「現実社会のアイデンティティ」が中心であり、アバターなどの活用は補足的なものな訳ですね。
尚、代表的なサービス企業(バーチャルイベントのプラットフォーム提供企業)は以下の通りです。
3) プラットフォーム及びバーチャル・イベントのサービス・プロバイダー
★Unisfair
http://www.unisfair.com/
http://events.unisfair.com/help_EN/help.html
引用
The Unisfair environment has been designed to provide you with a total online event experience on the Internet. The interface allows quick navigation of the site and immediate access to exhibits, conferences, and webcasts. It also makes it easy to communicate with company representatives and other visitors
Your activities at an online event fall roughly into three categories:
引用終わり

出所)同社ホームページより
★★VirtualVU
http://www.virtualvu.com/
★★Arkadin
http://www.arkadin.com/index.cfm
3)終りに
まあ、消費者相手のネットイベントの場合には、セカンドライフやマイスペース、mixi型の多数の参加者が自然に集まるプラットフォーム=コミュニティが必要ですが、B2Bの場合であれば、イベント屋さんが主宰するバーチャル・イベントは良いと思われます。現在はイベント総体の高々1%に過ぎませんが、2015年には25%に達するという予測もあります。
さて次のステージとして具体的な商品展示や懇親会を加える時には「セカンドライフ型の仮想社会」へと本格発展するのでは無いかと思われます。(今は商品展示などは動画のストリーム主体ですが)
日本ナレッジマネジメント学会 専務理事 山崎秀夫
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