2010年03月02日
●<ソーシャルテレビ> 米国の新聞やラジオがテレビ局になった訳
いえね、アメリカのUSA TODAY(業界2位の大手新聞)やAP(有名な共同通信)などがタイガーウッズの記者会見をLIVESTREAM.TVで生中継するなど、米国ではインターネット上のソーシャルテレビ(ustreamやlivestream.tvなど)を活用して新聞がテレビ局になる事例が増えています。
もちろんラジオ局がustreamなどを利用して音声だけではなく、局のシーンやインタビューシーンなどを流す場合もあります。例えば仮想社会サービスのセカンドライフなどではテレビ局がパネル番組をアバター付き=映像付きでよく流していました。
こうしてソーシャルテレビを活用して新聞社やラジオ局がテレビになったわけですね。
これは一体、どういう意味があるのか考えて見ましょう。
基本認識は既存の紙の媒体やアナログなラジオなどが時代遅れとなり、デジタルなテレビやデジタルなインターネットの時代になってきていると言う点でしょう。
まあ、デジタルなテレビは置いておくとして、紙やアナログラジオの時代は終焉し、その結果、視聴者数や読者数が減ったり、広告費が激減してその分、インターネットにシフトし始めています。
そこで広告費や購読者数の減少を少しでも補おうと、少しでも自社サイトの魅力を増してインターネット上での広告費を獲得するために、新聞もラジオもソーシャルテレビに進出しているんだと思います。
これは経済学上の「補完財効果」を狙っている訳ですね。
インターネット新聞 + ネット上のソーシャルテレビ が大きな広告費をもたらす。
または
インターネットラジオ + ネット上のソーシャルテレビ が大きな広告費をもたらす。
確かに新聞やラジオの映像付きネット生放送は、一定の魅力を提供し、結果として一定の広告費を稼ぐ可能性もあります。
一方一般企業がインターネット上で企業自主放送などの形でソーシャルテレビを活用すれば、その分紙やラジオに広告を載せなくなると想定されます。だから新聞やラジオへの広告投資は確実に減少します。
これがソーシャルテレビの齎す代替財効果です。但し、ソーシャルテレビが無くても広告費のインターネットシフトは止まりませんが。
ほって置けば代替財効果だけが確実に働き、ラジオや新聞はインターネットにシフトする広告費の前に規模が縮小し、死を迎える可能性が高まっています。
だから一部の事業者は補完財効果を狙ってソーシャルテレビに出ているわけですね。
音楽業界やテレビ・映画業界に関してはyouTubeにおいて同じことが議論されました。例えばyouTubeに投稿された音楽やビデオクリップは、「知り合いに音楽や映画を紹介しているだけだ。だから売り上げを上げると言う補完財効果が働く」と言うグーグルや投稿する生活者の主張と「そうじゃない!! CDの売り上げの減少を招くだけだ!!」と言う代替財効果が強く働くと言う業界の主張が真っ向からぶつかり合いました。これは有名な話です。
果たしてソーシャルテレビが新聞やラジオ業界に補完財効果を多く齎すのか代替財効果を齎して業界の規模を小さくするのか見ものですね。
日本ナレッジマネジメント学会 専務理事 山崎秀夫 borg7of9 twitter
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