世界中のソーシャルに関するニュースを紹介、配信するサイト

職縁ブログ/SNSは日米共に花盛り


 2007年1月22日、ロータスノーツのユーザー会で米国IBMがノーツのSNS版(Lotus Connections)を発表しました。既にマイクロソフトは昨年末、製品(Microsoft Office SharePoint Server 2007)を発表しており、我が国でも導入が始まっています。先日、日本オラクルの本社をお借りして行われたIUG(社内ブログ/SNS研究会)の第五回研究会でも、マイクロソフトのSNSの使い勝手の話が一部の参加者から出ていました。インターネット上で話題となったブログ/SNSはあっという間にイントラネット上の職縁ブログ/SNSに進化し始めています。特にSNSへのシフトがこのところ顕著ですね。
それにしてもグループウエアの二強がSNSやブログを追加して戦争を始めるとは凄いですね。孫さんたちが始めたMNPの携帯電話戦争にSNSが巻き込まれた故事(昨年12月)を思い出します。(次ぎはどのビジネスにSNSとブログが巻き込まれるのでしょうか?・・・)
 グループウエアの各ベンダーは大なり小なり職縁ブログ/SNS製品を開発中と伺っています。2007は我が国でもブログのドリコムやSNSのBEAT COMMUNICATIONなどのベンチャー企業と既存の大手ベンダーとの戦いが楽しみですね。
関連記事は以下の通りです。
IBM’s Social Networking Push
http://www.businessweek.com/technology/content/jan2007/tc20070122_532199.htm?campaign_id=rss_tech
IBM、「Lotus Connections」「Lotus Quickr」を発表–Web 2.0技術をビジネスに応用
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20341250,00.htm?ref=rss
2007 Microsoft Office system の概要
http://office.microsoft.com/ja-jp/products/HA101748901041.aspx
引用 (2007 Microsoft Office system の概要)
Microsoft Office SharePoint Server 2007 の個人用サイトにより、共通の関心を持つ同僚を識別します。Social Networking Web Parts では、個人の組織、コミュニティ、および電子通信に関する情報を使用して、より適切な検索結果を作成します。
・ ・・・・
Windows SharePoint Services での拡張サポートに対応した Wiki やブログを使用して、共有の知識を簡単に取得、アーカイブ、および再利用します。
引用終わり
Beat Media とは
http://www.beat.co.jp/contents/product/beatmedia.html
日米のアプローチの相違
①米国の社内ブログ
 米国の場合、職縁ブログ/SNSは日本とは異なるアプローチを取ってきました。まずブログの社内導入は2003年頃から目立ち始めていました。有名なディズニーやジフデービスメディア、IBMなどの事例が知られています。また規模の小さなベンチャー企業ではブログが情報共有目的で盛んに活用されていました。
当時から米国のKMWorldなどではチームブロッギングが良く知られていました。これはチームで一つのブログに入れ替わり立ち代り投稿する形式です。丁度、FPNのブログがそれに当たります。
個人ブログに関してはチームブロッギングの後で伸びてきました。
②米国のSNS
このアプローチは日本と異なりかなり理論的なアプローチを行っています。
 基本はナレッジマネジメントの進化型であり、ソーシャルネットワーク分析やグラノベターの『弱い絆の強さ』が理論として参考にされていました。又、当初のアプローチは対面中心であり、関連する二つの部門(例えば営業と商品開発)の間で社交や人脈が弱いと診断されると人脈作りを目的として対面でのドリンク・パーティなどが組織されていました。
人的ネットワークの観点からワーク・スタイル改革に乗り出す米国企業
http://www.ciojp.com/contents/?id=00002562;t=0
上記の記事は面白いです。しかししっかり『ソーシャルネットワーク分析』がなされています。
引用

この日、会場に集まった研究者の大半は、ロサンゼルスとニュージャージーの拠点に分かれて勤務する人たちであり、ふだんは互いに交流を持ちにくい環境にあった。また、性格も(研究者の多くがそうであるように)どちらかと言えば内向的な人が多かった。だが、この“親睦ゲーム”は、予想以上の効果を生んだ。最初は戸惑いを見せていた研究者たちも、時間がたつにつれて、自然と会話の輪の中に入り込んでいくようになったのだ。
ワーク・スタイル革新の切り札──「SNA」
  “引きこもり系”研究者のためのソーシャル・ネットワーキング・イベントへようこそ──マースが開催した奇妙なイベントは、まとまりを欠く傾向にあった同社の研究開発(R&D)部門を変革するために、マースが1年がかりで行ったある調査の結果を踏まえて開催されたものであった。新商品の開発によってさらなる成長をもくろんでいる同社にとって、研究者間の情報交換が適切に行われているかどうかというのは、きわめて重大な関心事だったのである。
 同社が行った調査こそが、一般に「ソーシャル・ネットワーク分析(Social Network Analysis:SNA)」と呼ばれるものであった。これは、「だれとだれが緊密な関係にあるのか」、「どのような情報交換が行われ、どのようにして新しいアイデアの着想が得られているのか」といったような、社員たちの人脈に基づく関係を明らかにするための手法である。

引用終わり
それに対する日本のアプローチ
 
ナレッジマネジメントの世界では精々野中理論程度しか持ち合わせておらず、理論嫌いでIT技術信仰だけが強い日本では、いきなりブログをツールとして導入すれば問題は解決すると言うアプローチが一般的でした。そして結構、多くの会社がブログ導入に失敗しています。 ステルスマーケティングで有名な大手電機メーカーもブログ失敗企業の一つと言われています。結構、早く導入したにも拘らず経営の無理解の為に失敗したようです。
そして職縁SNSの導入もブログに続いてブームになっていますが、組織的、理論的なアプローチがとられている会社は多くありません。ツールだけ入れた会社は何れ見事に失敗するでしょう。
日本で成功しているブログ/SNSの導入企業は、殆どが担当者の個人的センスかボランティアの英雄的働きに依存しています。組織的、理論的なアプローチが欠けている訳ですね。ここが米国と大きく異なります。
まあ、精々現場は『情報共有』の新手段程度の認識しか持ち合わせていないですから、こんなも喪かもしれません。
●成功する感情の共有に熱心な日本企業と欧米企業
 筆者らが昔から重視してきたのは米国『バックマン研究所』(米国のナレッジマネジメントのトップ企業)や英国『BP』などのナレッジマネジメント上のトップレベルの成功企業は、『社員の社交』や『遊びの要素』、『感情の共有』を重視していた点でした。これが自然に信頼感を醸成し、情報、知識共有を生み出していると言う学説です。
 それがやっとブログやSNSの登場で比較的簡単に実現可能となったと考えられます。
2チャンネラー風に言えば『単なる情報共有に死を!!』と『感情共有に生を!!』といったところでしょうか。
バックマン研究所の事例は以下参照願います。
▼知識コミュニティにおける経営 (単行本)
ロバート・H. バックマン (著), Robert H. Buckman (原著), 日本ナレッジマネジメント学会翻訳委員会 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/%E7%9F%A5%E8%AD%98%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E7%B5%8C%E5%96%B6-%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BBH-%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%B3/dp/4431711414/sr=1-9/qid=1169531902/ref=sr_1_9/250-9736906-3307438?ie=UTF8&s=books
 中々面白くなってきました。わくわくしますね!!
  日本ナレッジマネジメント学会 専務理事 山崎秀夫

関連記事

2020年3月
« 12月    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031