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セカンドライフで実施したSNSのオフ会などに思う


 2007年7月、セカンドライフの日本語化が発表されるなど、今年はメタバース元年になりそうな状況ですが、一方であいも変わらずネットコミュニティに深く関わっている方々からの否定的な意見も多いですよね。最近実施したSNSのセカンドライフオフ会の軽い報告を兼ねてコラムを書いてみました。
別に流行する具体的な仕組みがセカンドライフであろうと無かろうと筆者にとっては一向に構わないのですが、セカンドライフに否定的な意見の多くが、「テレプレゼンスの時代の到来」を認識しないで、頭から全否定するような意見が多いのはとても残念です。
▼日本語化で過熱するセカンドライフ,その実態は?
http://zen.seesaa.net/article/47865009.html
▼SECOND LIFE日本語版Βリリースに見る “負の側面”
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=2503
 ITネットワーク上で「時間と空間を共有する場」を「テレプレゼンス」と呼びますが、欧米の一般認識は、いよいよこれを社会が本格的に活用する時代の入り口に我々は立っていると言うパラダイムです。一般国民だけでなく特に企業がこういった認識を持ち始めています。
まあ大手都市銀行さんから出た超楽観論のレポートの予測が大きく外れそうなのも確かであり、これを根拠にセカンドライフ否定論を述べる方々も増えてきそうな気配ですが。(参加者数が2007年末に5000万人と予測されていますが、2007年7月現在、やっと800万人です。)
▼「セカンドライフ」にみる仮想世界・仮想経済の可能性
http://www.mizuhocbk.co.jp/fin_info/industry/sangyou/pdf/mif_57.pdf
●セカンドライフのDIY政策の特徴はクリエーター優先、社交の軽視
 欧米の一部論調の指摘にもありますが、セカンドライフの基本はグローバリズム=自由な市場主義重視です。その結果、色々な仮想の商品を作って仮想通貨を使って販売する自由を保証したと言う点では参加者に創造性発揮の場を提供しました。リンデンドルと言うポイン(仮想通貨)とドルとの交換性まで保証したという点は凄すぎます。
一方、他のメタバース(THEREとかHOBBOとか一杯有ります)に比べてセカンドライフは社交の要素が弱い点も指摘されています。DIYポリシーの基での「圧倒的な自由」「自由に呪われた存在」の参加者がセカンドライフの美しい景色を眺めて「何をして良いか判らない」、「何が面白いのか判らない」とりわけmixiなど既存のネットコミュニティから来たソーシャル派の参加者にとっては、「孤立、孤独、接触飢餓の寂しい思い」が増幅されてセカンドライフをそっと去って行くと言う傾向が少なからずあります。これは欧米にも見られる傾向です。
 人脈形成や「群れ」の形成と言うソーシャルメディアの側面が弱いわけですね。これがmixiやマイスペースに比べて参加者のリピート率がかなり低い理由だと考えられます。
●だからと言ってテレプレゼンスを全面否定するのか!!
 筆者の経験から話しましょう。昔、mixiに没入するほど入れ込んでいた頃、夜が更けて数人の相手と日記上のコメントの付け合いやIMの打ち合いが延々と続いたことがありました。そしてお互いに出来れば「直ぐにでも会いに行って夜を徹して語り合いたい」と言うメッセージを交換していた頃を懐かしく思い出します。
 同じことは企業内のSNSの運営においても起きました。夜の12時を回って色々な会社での出来事や職場の状況を話している状況を想定してください。ふっと気が付くと距離が離れて働く、お互いに顔も知らない二人の社員だけで意気投合してコメントを付け合っている・・・。そういう時「お互いが直ぐにでも出あって抱き合いたい!!」こう言う感情にと囚われる場面が出始めています。
これまでは対面オフ会がこの役目を果たしていました。初期の頃のmixiでは知り合って一ヶ月もすればオフ会の誘いが来ました。これがmixiなどSNSでは群れの形成が早い理由だったわけですね。
もしセカンドライフのようなテレプレゼンスがあれば、「アバター姿に着替えて直ぐに会いに行ける」と言う思いを筆者だけでなくSNSの多くの参加者は潜在的に強く持っています。
こう言ったネットコミュニティのニーズをどう考えるのでしょうか?
この視点はマーケティングにも活用できます。
セカンドライフオフ会を楽しく経験しました。
 富裕層のSNSにNILEPORTがあります。筆者はこれに色々な理由から招待者として参加している訳ですが、先日、オフ会をセカンドライフで企画し実行しました。
 通常の対面オフ会は大きなオフ会が四半期に一度程度、自主的に行われており20人前後の参加者があります。今回はセカンドライフオフ会と言うことで筆者が呼びかけましたが、三人の出席でささやかに第一回をスタートしました。
無論、参加者は皆、対面の世界では知り合いです。
参加者の女性の一人がお産の為の臨月を迎えていたこともあり、ちょっと急いだと言うのも理由の一つです。
 最初は皆で魔法の絨毯に乗る予定だったのですが、シムが混んでいてこの計画は中止し、代わりにCOMCASTと言う米国CATVのシムに集合しました。そこでレーシング服を貰ったり、空を飛ぶ為のジェットパックを貰って大空を飛び回りました。
最後は社交ダンスを楽しんで終わったのですが、途中、一人がパソコンの容量不足で脱落すると言う恐れていた場面もありました。
nileport03.jpg
comcastのシムに集合し、レース服を貰って着替えたシーン。
nileport06.jpg
 ジェットパックで空を飛んでいるシーン
現在、中小企業の一部団体などではセカンドライフで協会の打ち合わせを行おうと言う動きもあり、対面オフ会を補うセカンドライフオフ会の動きは今後、活発化すると思います。
テレプレゼンスの手段として最終的に伸びるのがセカンドライフになるかどうかは、まだ未知数ですが、シミュレーション技術を活用したアバター=人形劇方式は、今後共大きく広がると考えられます。
我が国のネットベンチャー企業の一部はNAVISL(旧セカンドライフSNS)を立ち上げたり、独自のオリエンテーションランド(メルティングドッツ島)を立ち上げるなど、このセカンドライフのソーシャルな面が弱いと言う欠点をビジネスチャンスとして考え、参加者獲得など一定の成果を上げています。
 米国のMTVなどはマイスペースとセカンドライフ、YOUTUBEなどをミックスさせてブランドコミュニティを立ち上げています。このような企業がマードック氏に「マイスペースにメタバース連携機能を!!」と言えば、マイスペースはどう反応するでしょうか。恐らくマイスペースにメタバース機能が付いたり連携が行われるのも直ぐそこだろうと筆者は考えてます。
 何しろUSATODAYのSNSがアバターを取り込んでいますから・・
  日本ナレッジマネジメント学会 専務理事 山崎秀夫

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