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仮想社会を活用した「ビジネスゲーム」、「アクションラーニング」は成功するか?


ヒルトンホテルのチェックイン、チェックアウト訓練とか米国陸軍の災害対応訓練とか、プログレッシブ保険のセールス教育とか体験学習、臨場感が必要なロールプレーイングタイプの組織研修の一部が、欧米では仮想社会サービスを活用して展開され始めています。2008年初頭から流行し始め、2009年、2010年と欧米企業社会や政府関係に普及が進むと思われます。
2006年から2007年のセカンドライフ・ブームにおける教育・研修領域での成功が企業組織の仮想社会活用に火をつけたようです。
日本のIT系の一部の皆様が「仮想社会サービスなんかしらへん」とにべもなく拒絶したり、人事・研修系のコンサル企業などが仮想社会サービスにほとんど興味を示さない中で、欧米社会や欧米企業はどんどん進んでいます。
まあ、ネット人形劇による非バーバルコミュニュケーションでの「暗黙知継承」や「思考特性」「行動特性」の獲得なんか日本はあまり興味ないんでしょう。(最近、ちょとだけ悲観的な筆者ですが)
この領域を十分に理解し活用するためには「相当の社会心理学の基礎知識」が必要となります。特に「投影や転移現象」などをしっかりマスターしておかないと難しいですね。
★新しいビジネスゲーム・アクションラーニング
 テレビ会議に比べて仮想社会サービスが優れている点は、以下の点です。
① インフォーマルなコミュニュケーションの要素が強く、ヒューマンタッチなコミュニティ要素に優れている。
② シミュレーションを活用したシーンの設定、舞台装置が簡単にできる。
③ サーバーで人形の像を自動作成するため通信負担がかからず、コストが安い。
まあ、実際はテレビ会議と組み合わせて活用する場面も多いのですが。
従って「臨場感豊か」な「体験型」の学習が可能となります。従ってロールプレーイング型などの企業研修に非常に向いている訳ですね。
これは新たなビジネスゲーム、アクションラーニング(体験学習)であると考えられます。
★ ヒルトンホテルのホスピタリティ向上トレーニング
2008年1月末から欧米のヒルトンホテルガーデンインという中級ブランドのホテルの一部で試行が始まっていますが、チームにより顧客満足度を向上するため、チェックイン、チェックアウト、飲料や食事の注文、観光案内などの問い合わせなどのコンシェルジェ業務をホテルの従業員が学習する仕組みです。
2009年からは欧米のホテルを中心に全面的にサービスされるそうです。
確かにホテルのサービスシーンは体験学習型であり、アクションラーニングの要素が強いですね。
Shot00004.bmp
仮想社会サービスの名前は「バーチャルヒーロー」です。
http://www.virtualheroes.com/newsDetails.asp?nid=31
★米国陸軍による災害復旧のための訓練
EM-NEXUSと呼ばれているシステム(仮想社会サービス)が2008年9月19日本番にはいりました。これはハリケーンカトリーナの来襲の際、ニューオーリンズが水没し、陸軍が1、200人が災害対策に巻き込まれました。日本でいえば阪神淡路大震災に自衛隊が出動したようなもんですよね。
六つのシナリオがあり、災害の規模を町レベル、州レベル、全土レベルと設定しています。
医療関係の災害対策とか色々シナリオがあります。
更にホームセキュリティ局が予算を追加してセキュリティ訓練を追加しました。
米国陸軍ではナレッジマネジメントにおいて非同期のネットコミュニティを活用して以下のような体制が既にできています。
①プラクティス・コミュニティ(テーマ別の実践コミュニティ)
②アフターアクションレビュー
これにリアルタイムのコミュニティ対応、非バーバルコミュニケーションによる体験学習が加わる訳です。そして プラクティス・コミュニティ(テーマ別の実践コミュニティ)やアフターアクションレビューも仮想社会に持っていきます。
それぞれのシナリオがアクションラーニングとなっており、臨場感豊かな「災害体験」を学習して「知識の保持率」を向上させようと言うものです。従来のやり方に対して約6割のコスト削減か可能と発表されています。
上記は2008年の9月ニューヨークのVW EXPOの会議で発表された内容ですが、米国の陸軍の軍服を着たプレゼンテーターの説明は壮観でした。
http://www.ecsorl.com/gallery/video/EmNexusVideo.html
http://www.ets-news.com/third.php?id=1207
http://www.simulationinformation.com/cms/index.php?option=com_content&task=view&id=1079&Itemid=2
その他ジョンソン・エンド・ジョンソン、ノバルチス、メルク、ノースロップ・グラマン、ゼロックスなどの蒼蒼たる企業が遠隔地ミーティングを含む教育・研修活用に乗り出しています。
 そしてこれらの動きが企業内や組織内のソーシャルネットワーク(非同期型の交流)と一体化し始めているというのは、欧米では共通認識となっています。
 例えばプロトンメディア社のプロトスフィアと言うサービスは基本がSNSと仮想社会サービス(アバター)の連動型になっています。(上記のジョンソンエンドジョンソン、プログレッシブ保険などがユーザー企業)
日本が追随できるのも精々Web2.0までなんでしょうか。それとも日本のitベンチャーにももっと期待して良いのでしょうか。
日本ナレッジマネジメント学会 専務理事 山崎秀夫

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